RSNA(北米放射線学会)の参加について

放射線科 原井 亮太

 平素よりお世話になっております。天草中央総合病院放射線科の原井です。2023年11月26日から30日に開催された北米放射線学会総会(RSNA annual meeting 2023)に参加させていただき、現地にてポスター発表の機会をいただきました。

 RSNAは世界最大の放射線学会で、総会は毎年アメリカ・イリノイ州シカゴのマコーミックプレイスという会場を貸し切って行われます。東京ドーム約5つ分の大会場で、毎年5万人程度が参加するということで、ここ数年はコロナ禍で規模も縮小されていたとのことですが、今年はその影響もなく以前とほぼ同程度の規模で開催されたとのことです。会場内ではとてもすべては回り切れないほど多くの演題発表や企業による機器展示等があり、国内学会への参加経験もまだ乏しい私は、その雰囲気に圧倒されました。日本ではマイナーなイメージがあると思われる放射線科ですが、世界的にはこれだけ大規模な予算や世界最先端の技術が放射線科分野に投じられていることが実感でき、心強く感じると同時に、知識をupdateしていかなければならない責任も感じました。

 私の発表演題はDeep-learning reconstruction for reducing slice thickness and radiation dose in pediatric CTで、人工知能によるCT画像再構成を用いて、小児CT検査での被ばく量を低減しつつ診断能を向上させる試みについて検討した内容です。昨今は様々な分野で人工知能や機械学習が話題になっており、医療分野への応用も見られるようになって久しいと思いますが、放射線科はその先駆けとも言える診療科であり、今回の学会でもAI関連は最大のトピックであるようでした。今回の発表で得られた知見や経験を活かして、論文発表やひいては実臨床へと役立てることができるよう、これからも努力していきたいと思います。 この度は学会参加を許可いただきました天草中央総合病院院長芳賀先生、ならびに放射線科部長吉住先生、不在中ご迷惑をおかけしました先生方やスタッフの皆様に厚く感謝申し上げます。