天草地域感染症患者等移送訓練に参加しました

 熊本県と天草広域連合の「感染症患者等の移送に関する協定書」に基づき、消防の救急車両を使用した患者等移送の模擬訓練を行い、天草管内で感染症患者等が発生した際における医療機関の感染対応能力向上と患者等移送訓練体制の強化を図ることを目的として、今回4度目となる訓練を11月12日に、天草保健所、天草広域連合、天草郡市医師会、感染対策向上加算施設と合同で行いました。当院は、第二種感染症指定医療機関となる病院です。鳥インフルエンザの感染疑いのある患者を天草市の民間医療機関から当院へ搬送する訓練を行いました。想定患者は、野鳥の死骸に接触した経緯があり、民間病院に受診。鳥インフルエンザ疑いとして、民間病院から天草保健所に相談され、保健所で検討後、感染症指定医療機関である当院へ搬送するという内容の訓練でした。
 鳥インフルエンザとは、トリに対して感染性を示すA型インフルエンザウイルスのヒトへの感染症です。ヒトにおけるほとんどの感染者は、感染した家きんやその排泄物、死体、臓器などに濃厚な接触があると言われており、日本では発症したヒトはいませんが、海外には感染したヒトがいます。東南アジアを中心に、欧州、北米、南米において報告されています。鳥インフルエンザは、感染症法で2類感染症に位置づけられ、厚生労働省は、発生地域から帰国した人で、帰国後発熱やせき等の症状が出現した際は、鳥(死んだ鳥を含む)や患者に接触したヒトは、保健所へ相談するよう説明してあります。しかしながら、鳥インフルエンザの症状は、一般的なインフルエンザの症状と同等のもので、発熱された患者は自宅近くの病院に受診される可能性が高く、天草地域の搬送訓練もそのことを想定して実施しました。
 総勢26施設69名の参加人数でしたので、WEBを利用したLIVE配信として、1つの会場で訓練の流れが全て見学できるように整えました。訓練終了後、参加者と個人防護具の着脱訓練を実施し、天草管内のどの施設で、鳥インフルエンザが発生しても対応できるように工夫しました。意見交換会では、いくつかの意見等がきかれ、有意義な訓練となりました。今後も、天草圏域の第二種感染症指定医療機関として、感染対策防止に関わっていきます。

感染防止対策室 坂本陽子