看護師特定行為研修

特定行為研修を受講しています

感染管理認定看護師 坂本 陽子

 「特定行為」とは、看護師が手順書により行う診療の補助であり、実践的な理解力、思考力及び判断力並びに高度かつ専門的な知識及び技能が特に必要とされる38の行為のことです。
 2025 年に向けて、さらなる在宅医療などの推進を図っていくためには、個別に熟練した看護師のみでは足りず、医師の判断を待たずに、手順書により、一定の診療の補助を行う看護師を養成し、確保する必要があり、2014年6月に「特定行為に係る看護師の研修制度」が創設されました。2015年3月には、制度の詳細が定められた省令および施行通知が発出され、10月より研修制度が開始されました。
 JCHO は、特定行為を提供する看護師を育成することで、地域住民の多様なニーズに応え、安心して暮らせる地域医療を支えることに貢献することをねらいとして、厚生労働省から2017年3月に、 特定行為区分11区分において看護師の特定行為研修を行う研修機関に指定され、2017年4月より特定行為研修を開始しました。JCHO病院で特定行為研修を受講するには、①地域医療機能推進機構に勤務していること。②看護師の免許取得後、通算5 年以上の実務経験を有すること。③施設長の推薦を有すること。これらの要件が必要となります。受講者は、所属施設が研修を実施する区分の中から、任意の区分を選んで受講することができます。働きながら自施設で受講することが原則です。
 天草中央総合病院では、感染看護の領域で、栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連と感染に係る薬剤投与関連の特定行為研修が受けられます。全受講者が共通して履修する「共通科目」と、受講者ごとに申請した科目を履修する「区分別科目」から構成されます。私は、今年10月に放送大学を無事卒業でき、今は、統合実習20時間を自施設で受講しています。それが終わると、区分別科目を履修します。eラーニングで45時間の講義と、筆記試験、特定行為ごとに5症例以上の実習が必要となってきます。
 特定行為研修を受講していて思うのは、実践経験や実践的知識から導き出されたものは、根拠のないものが多かったなということです。臨床推論を学ぶことは、とても興味深く、おもしろいです。医師が行う臨床推論を看護師が患者の状態を的確に把握するために用いることができれば、緊急度や重症度の判断ができ、患者の状態に合ったタイムリーで的確な看護が提供できると思います。医療は日々進歩しており、医療の中のキーパーソン的役割の看護師は、知識・技術をupdateしつづけなければならない職業です。仕事と勉強の両立は大変ですが、自己研鑽を継続する基盤になると信じて、特定行為研修を修了できるよう頑張りたいと思います。