第8回JCHO地域医療総合学会が12月に三重県で開催されました

 JCHOは全国に57病院ありますが、その病院が一同に会す学会が年に一度開催されます。コロナ禍の3年間は実施されませんでしたが、withコロナに慣れた昨年度からやっと開催となりました。今年の開催地は、「伊勢神宮」や「赤福」で有名な三重県で、2000名余りの参加者のもと開催されました。天草から三重は遠く、前日から前乗りで、飛行機・高速船・JRとすべての公共交通機関を使い、半日以上かけたどり着きました。その様子をご紹介いたします。

特別公演の「がん体験は命の勲章」というテーマの、演出家の宮本亜門さんのお話

 2019年ご自身がテレビ番組の企画で判明した前立腺がんの体験談で、検査から手術を受けた経験を話されました。その中で、検査値が疑わしく外来受診をした時の、医療従事者の異様なほどの雰囲気を味わったことの経験談が印象的でした。それは、私達医療従事者は、一挙手一投足見られていて、それが患者に余計な緊張感を与えているのだなあと感じました。その一方で、患者を身近に支援するのは医療従事者であり、とても感謝されておられ、誇りを持つべき職業であることを改めて感じました。

 さて、当院からの発表は4題で、そのほか薬剤部がグループ病院内での共同研究の発表もしていました。まず、一日目は看護部の発表で、当院のがん化学療法認定看護師の須崎看護師長が「壮年期女性がん患者の役割遂行のための看護介入」というテーマで発表しました。がん治療に関しては当院の強みであり、がん化学療法の実施件数が年々増加していると同時に、緩和ケアに移行する方も多いです。

 がん化学療法件数が増加している中で、外来での治療件数も増えています。そこで、二日目には外来化学療法室の青柳看護師が「外来化学療法を受ける乳がん患者の副作用出現時の思いと対処行動」というテーマで発表しました。外来通院中の患者をどのように支えたらいいかの一助になる発表でした。右の写真は、今回作成した布のポスターです。

 このコロナ禍で院内感染防止は最重要課題です。そこで、看護師の手指消毒を手順通り実施できているかどうかに着目し、「A病棟における手指消毒の直接観察法を用いた実態調査」というテーマで山中莉沙看護師が発表しました。この直接観察法を継続して実施し、正しい手指消毒で院内感染を防止していってほしいです。

 また、二日目には薬剤部から「プロトンポンプ阻害薬におけるフォーミュラリー作成の効果について」というテーマで、三島直主任薬剤師の発表がありました。薬剤の効果的・経済的な使用に関して、院内での消化性潰瘍治療薬であるプロトンポンプ阻害薬(PPI)領域での使用薬剤の取り決めを行った結果、治療効果の維持とコスト削減効果がある旨の発表があり、今後、院内、あるいは地域でのフォーミュラリー整備が期待される中で、各方面から多くの注目を集めておりました。

さて、学会に行くと、その地元のおいしいものを食べたり、お土産を購入したりするのが楽しみです。お決まりのように、甘味処は外せず、甘さが絶妙なぜんざいを頂きました。

また、ランチョンセミナーのお弁当は松坂牛、企業展示のスタンプラリーでは赤福のお土産、懇親会では伊勢海老がでてきて、三重を満喫しました。 旅行会社が予約してくれたホテルのバイキング形式の朝食では、松坂牛のすき焼き、松坂牛のカツ、ひつまぶしのお茶漬け等など、ここでも満足でした。やはり美味しいものを食べると幸せになりますね(笑)来年は仙台で開催される予定です。仙台は牛タンでしょうか・・・

2024年3月12日