特定行為研修「術中麻酔管理パッケージ」を修了して

私は天草中央総合病院で手術室に勤務する看護師です。この度、熊本大学病院で術中麻酔管理パッケージの特定行為研修を修了する事が出来ましたのでこの機会にご報告致します。

まず、特定行為研修の説明をします。特定行為研修とは、「看護師が手順書により特定行為を行う場合に必要とされる実践的な理解力、思考力及び判断力並びに高度かつ専門的な知識及び技能を図る研修」と厚生労働省が定めているもので、その特定行為とは21区分38行為を示します。この研修により、看護師が知識・技術を高めることで、医師の指示を待たずに患者様にタイムリーな対応が可能になります。その中でも私が受けた研修である「術中麻酔管理パッケージ」とは、38行為の中で、周術期に実施頻度の高い行為を厳選しパッケージ化したものです。具体的には、人工呼吸器の設定変更、挿管チューブの位置調整、動脈採血や動脈血管確保など2区分8行為あります。

私は手術室看護に14年間携わる中、日頃よりもっと根拠を持って看護実践をやりたいと考えていました。丁度そのタイミングで、当院院長からこの研修を受けてみないか、とお声掛けを頂きました。

4月から研修期間に入りましたが、通常業務と並行しながらであり、9月は熊本大学病院に週2~3日通い集合研修を受け、あとはeラーニングで自己学習を進めました。10月からは、熊本市内で一人暮らしを始め、熊本大学病院の手術室で実習を受けました。家族と離れて暮らす事は初めてで、最初はホームシックになりましたが、しばらくすると、その気持ちも薄れ、県内最先端の医療を行う大学病院の手術室の規模の違いに驚きの毎日を過ごし、看護学生以来の新鮮さを感じる日々でした。しかしながら、この中で感じた事は、病院が大きくても、小さくても患者様を第一に考え、患者様中心に行う医療は同じだという事でした。他の病院を知る事で当院の良い所を再確認する事も出来たことは、よかったと思っています。

修了後すぐに研修で学んだ特定行為を安全に実施していく事は難しいですが、今後も日々研鑽し患者様へ寄り添える看護師を目指していきたいと思います。

また、私が活き活きと活躍することでモデルとなり、これからもドンドン特定行為研修修了者が院内にさらに増える事を期待したいです。そのことが、天草中央総合病院の看護の質の向上に繋がり、この天草地域で安心・安全かつ迅速でシームレスな医療の提供が出来ると考えます。

手術室看護師 宮崎 真実