去る2月15日に当院で日本医師会生涯教育講座を開催しました。まず、講義として当院の高群博登放射線科医師が「当院放射線部の画像検査の紹介:pitfallに陥りやすい疾患の紹介を兼ねて」という演題で専門的立場から話しました。その中で、よくある疾患の中にある、見逃してはいけない怖い疾患があることを、画像を用い重要性を詳解しました。
次に、施設見学実習として、自治医科大学内科学講座消化器科学部門の大澤博之教授に「LCI/AI内視鏡を用いた食道癌・胃癌診断の実際と展望」を講演いただきました。大澤教授は色彩強調の活用、白色光とLCIの違いについて動画を用い分かりやすく解説していただきました。色彩強調はがんと炎症性病変の鑑別に大いに役立ことを強調されました。次にAI内視鏡診断について、病変が疑われる領域を検出すると対象のエリアを枠で囲って表示するとともに報知音を発出し医師に対し視覚・聴覚で注意喚起をすることによって医師が画像を解釈し病変を検出することを支援するシステムであることを動画を用い分かりやすく解説して頂き、参加者には内視鏡システムを実際に操作し体験していただきました。
最後に、専門医共通講習会として、当院の橋本佑太薬剤師に「抗菌薬の選択について」を講演いただきました。まず、耐性化への影響に配慮した抗菌薬選択について、深刻化しているAMR問題の現状、AWaRe分類を活用した抗菌薬選択や活用時の注意点などについて解説頂きました。次に、効果を出すための抗菌薬選択について、疾患に対し抗菌薬選択ではなく、個々の疾患に合わせた柔軟な選択ができるよう、各微生物の特徴、病原性や重症度などの抗菌薬選択を左右する因子について、それらの因子を考慮した最終的なカバー範囲の選択、各微細物に対する抗菌薬選択のポイントなどを紹介されました。
その後、懇親会が開かれ多くの先生方と楽しいひと時を過ごすことができました。
事務長 古田彰