コロナとワクチン

 今年も暑い日々は続きます。新型コロナウィルス感染症ですが、今年の夏も流行しました。これまで日本政府が行った新型コロナウィルス感染症の対策につきましては、さまざまな意見があることは存じております。しかし、多くの新型コロナウィルス感染症の患者さんをみてきた者として、日本政府が行った新型コロナウィルス感染症に対する対策は間違っていなかったと思います。なかでも、新型コロナウィルスのワクチンは多くの人の命を救ったと思います。当院に新型コロナウィルス感染症で入院した患者さんで亡くなった方を調べてみると、亡くなった方の約半数は、ワクチンを1回も打っていませんでした。アメリカの疾病予防管理センター(CDC)が2023年に発表した論文によると、ワクチンを1回も打っていない人は、ワクチンを3回以上打った人に比べて、14倍死亡率が高かったそうです。天草で今年の夏に、ワクチンを1回も打っていない30歳代の若い方が新型コロナウィルス感染症にかかり、残念ながら亡くなりました。ワクチンを打っていないというのは、素っ裸で戦場に向かうようなもので、全く無防備な状態であります。

 新しいウィルスに対して、ヒトは抵抗力がありません。そこでウィルスに似た構造のものを人工的に作ったのがワクチンです。ワクチンを打つと、人はウィルスを殺す抗体を体の中に作ります。これにより、ウィルスが入ってきた時に、抗体がウィルスをやっつけて、病気は治っていくのです。  

 今年は新型コロナウィルス感染症のワクチンは、65歳以上の方や60歳以上の持病がある方に10月から接種が始まります。どうぞ対象となる方は、最寄りの医療機関に尋ねられて、ワクチンを打ってください。皆様のご健康を祈っております。

2024年10月3日     院長 芳賀克夫