「新型コロナウイルス感染症のお薬について」

 今現在、日本で使用できる新型コロナウイルス感染症治療薬は約“10種類”、半分が内服で、そのうち以下の3つが多く処方される治療薬です。今回はその特徴を簡単に紹介いたします。

①ラゲブリオ®

 入院・死亡リスクを30~50%減少させ、他薬との飲み合わせの問題がないのが特徴です。3割負担で28,000円程掛かります。カプセルが大きく服用量も多いため(1日8カプセル)、その点には注意が必要です。

②ゾコーバ®

 3割負担で15,500円程と、3つの薬剤の中では最も安価です。副作用が少なく、重症化リスクがある方の入院を37%減少させることが報告されています。また重症化リスクのない方においても、ウイルス量を減らすことにより、症状の早期改善が期待できます。注意点として後述するパキロビッド同様に、飲み合わせの悪い薬剤が多くあります。

③パキロビッド®

 3割負担で30,000円程と、3つの中では最も高価で、ゾコーバ同様に飲み合わせの悪い薬剤も多い薬剤ですが、重症化予防効果が最も高い治療薬です(入院・死亡を約70~89%減少)。

 2024年4月から公費支援が無くなり、患者様の負担が大きく増えていますが、新型コロナウイルス感染症の治療薬には「金額以上の見えない効果」があります。それは、上で述べた「重症化予防効果」のみならず、ウイルス量を減らすことによる「後遺症の低減」、「周囲への曝露防止」です。薬剤費が高いから服用しないではなく、服用による見えない効果があること、ご自身のみならず、ご家族や周囲の方を守る意味でも、十分に考えた上で服用するか否かご判断され、是非とも治療薬服用していただきたいと考えます。

薬剤師 橋本 佑太