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マンモトーム生検とは?/ マンモトーム生検と外科的生検の比較/マンモトーム生検の流れ /
注意事項とお願い/ マンモトーム生検が終わったら・・・/ こんな時どうするの?
マンモトーム生検とは?
穿刺吸引細胞診で診断がつかない症例や超音波にて腫瘤影を認めず、マンモグラフィにて微細石灰化病変を呈する症例に対して行う病理組織診のことです。また、乳癌の診断が確実な病変でも、術前化学療法の治療方針を決定するために行うこともあります。
超音波やマンモグラフィを見ながら、疑わしい部分に針(マンモトーム針)を刺して、組織の一部を吸引採取し、これを顕微鏡で検査します。切開(外科的)生検より傷が小さく、縫合などの必要がなく、低浸襲に確実な病理組織診断が行えるのが特徴です。
マンモトーム生検と外科的生検の比較
マンモトーム生検 | 外科的生検 | |
傷痕 | 0.3~0.4cm | 3cm程度 |
縫合 | 不要 | 必要 |
痛み | ほとんどない | 場合によりあり |
変形 | なし | 場合によりあり |
入院 | 不要 | 場合により必要 |
生検の傷痕 |
マンモトーム生検の流れ
目的の部位に正確にマンモトーム針を刺すために、超音波やマンモグラフィを使いながら行います。
- 超音波で腫瘤を認められる場合は、腫瘤と針の位置関係がリアルタイムにわかるのため超音波を使用します。(下の説明の4・6のみです。)
- 超音波で腫瘤が認められない微小石灰化病変は、マンモグラフィでしか位置が確認できないためマンモグラフィを使用します。ただ、超音波と違いリアルタイムに針の位置が把握できないため、何度かマンモグラフィ撮影を行います。その流れを以下に説明します。
- 検査は座った状態で行います。
まずマンモグラフィ撮影を行い、目標とする石灰化がよい位置にあるかどうかを確認します。 - 石灰化の位置が確認できたら皮膚を消毒して痛み止めの注射をします。
その後、麻酔の薬で位置がずれていないか再度撮影をします。 - 針を刺す位置が決定したら、針が刺しやすいように皮膚を約5mm程切開し、マンモトームの針を進めます。針を刺入してから、目標とずれていないか再度撮影をします。
- 針の先が目標部分に到達していることが確認できたら、マンモトーム操作を開始し組織を採取します。
このとき器械の音や振動がありますが、麻酔が効いていますので痛みはありません。 - 採取した組織を別の部屋で撮影し、目標とする石灰化目標とする石灰化が含まれていることを確認します。
- 目的の組織採取が確認できたら、針を抜き、組織をとった部位を10分ほど圧迫し、その後、ガーゼで圧迫・固定をします。傷口はテープで止めます。糸で縫う必要はありません。
切開(外科的)生検に比べ傷口は5mm程度であり、縫合の必要もなく約1ヶ月で目立たなくなります。
外来で行えますので、入院の必要は有りません。
検査中の注意事項とお願い
- 検査中は乳房を圧迫したままになるため、少々痛みがありますのでご了承ください。
- 精密な位置決めで行う検査です。最初イスに座った時にリラックスできる姿勢がとれるようにすることが最も大切になります。少しでも窮屈な時や姿勢がつらい時などは決して遠慮せずスタッフにお申し出下さい。
- ポジションニング(位置合わせ)が検査のすべてを左右するほど重要なものですから、多少時間がかかってしまう場合や、何度か圧迫し直さないといけない場合があります。ご理解をお願いします。
- 検査中、何度かX線撮影を行いますが、体に影響の出るレベルではありません。(1年間に自然界から受ける被爆線量の25分の1程度です)ので、ご安心下さい。
- 麻酔を行いますので痛みは感じませんが、緊張等のために気分が悪くなる方がいらっしゃいます。少しでもおかしいと思ったら我慢せずに早めにお申し出てください。その時点で検査を中断いたします。
マンモトーム生検が終わったら・・・
- 生検当日の入浴は控えてください。
- 当日は、生検部位を圧迫帯で固定しておきます。
日常生活に全く支障はありませんが、激しい運動は控えてください。 - 検査の結果は10日~2週間程で分かります。
こんな時どうするの?
Q 生検中に痛みを感じたら?
A 生検前に痛み止めの注射をしますので痛みを感じることはありませんが、万一痛みを感じた場合は遠慮せずに医師・スタッフにお申し出下さい。
Q 生検後、生検をした部分は痛いのでしょうか?
A 強い痛みを感じることはありませんが、念のため痛み止めの薬が処方されます。
Q 傷痕はどの程度になるのでしょうか?
A 1~2ヶ月程度でほとんど目立たなくなります。上の写真は、生検後、約1週間後のものです。