最新医学シリーズ ~ 5 ~

天草地域の骨粗鬆症治療について

天草中央総合病院 整形外科 斧出大紀

はじめまして、2022年4月より天草中央総合病院に整形外科として赴任しました、斧出大紀と申します。今回天草中央総合病院にて骨折リエゾンサービスチームを立ち上げさせていただくことになりました。
まず天草市は65歳以上の割合が41%と日本の中でも超高齢社会になりつつあります。高齢に発生しやすい骨折として大腿骨近位部骨折、腰椎椎体骨折、上腕骨近位端骨折、橈骨遠位端骨折があり、特に大腿骨近位部骨折を受傷するとADLや、健康寿命が低下するだけでなく、対側の骨折の発生率も増加しているのが現状です。骨折が連鎖繰り返すことにより自立して生活ができなくなり、認知機能の低下、家族の負担、介護の必要増加、医療費の増加に繋がります。そのため二次骨折を予防することが特に重要と考えられています。もちろん骨折の予防は一次骨折が発生してからだけではありません。特に女性では閉経後のホルモンバランスの変化から骨密度、骨質が低下することから、予防することも大切です。
天草医療圏で少しでも健康寿命を延ばし、骨折のリスクを軽減することを目標にチームを立ち上げる運びとなりました。まずは当院でのマンパワーでできることから開始し、当院他科医師、各地域で地域を支えている先生方や熊本県の先生方と連携を取り、天草だけでなく熊本県の骨粗鬆症治療に貢献ができるようなチームを目指していきたいと考えています。