特定行為とは・・・
診療の補助であって、看護師が手順書により行う場合は、実践的な理解力、思考力及び判断力並びに高度かつ専門的な知識及び技能が特に必要とされるものとして特定行為研修省令で定める38行為をいいます。特定行為区分とは、特定行為の区分であって、特定行為研修省令で定める21 区分をいいます。
JCHO 天草中央総合病院では研修実施区分は3区分あります
▼栄養に係るカテーテル関連
(抹消留置型中心静脈注射用カテーテル管理)関連
特定行為 抹消留置型中心静脈注射用カテーテル挿入
▼栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連
特定行為 持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整
特定行為 脱水症状に対する輸液による補正
▼感染に係る薬剤投与関連
特定行為 感染兆候がある者に対する薬剤の臨時の投与
超高齢化を迎え、医療資源の限界がある中、医師や看護師不足が懸念されています。 こうした中、多職種協働によるチーム医療の展開が必要とされ、特に看護師の役割拡大が重要な時代となりました。入院や在宅でも、患者の状態に合わせて必要な適切な処置をタイムリーにできる実践能力が高い看護師が増えることによって、症状の悪化を防ぎ、患者にとっても大きなメリットにつながります。
特定行為研修修了者
~当院では特定行為研修を修了した看護師が2名在籍しています~
荒木直美
私が修了した特定行為区分は「栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連」「感染に係る薬剤投与関連」の2区分です。
これにより、症状に対して点滴の調整や、高カロリー輸液の調整、感染兆候がある患者様に薬剤の臨時の投与など3つの行為を、医師の手順書にそって実施することができるようになりました。
この資格を取得したことで、今までは医師の指示を待って実施していた行為もそれを待たずに行えるようになります。これは、迅速な処置の提供により早期に患者の苦痛軽減がはかれることにつながり、また、医師の負担軽減にもなります。
まだまだ安心、安全にこの行為を実施する能力は欠けますが、日々研鑽し、実践できるようにしたいと考えています。どうぞ宜しくお願いします。
宮崎 真実
私は天草中央総合病院に就職し色々な部署を経験後、現在は手術室で勤務しています。
2023年度、術中麻酔管理領域パッケージの特定行為研修を熊本大学病院で受講しました。
日々、周術期看護に関わる中でもっと根拠を持って看護を実践したいと考えていた時にこの研修受講の話を頂きました。高齢化により、近年の手術を受ける患者様は、多数の基礎疾患を持っていて、高度化する医療を安全に提供するには看護師経験年数が増えても日々研鑽し学習を継続していく必要があります。
2024年度から始まった「医師の働き方改革」では、チーム医療の中心となる看護師は医師業務の負担軽減への役割を担うと思います。その中で「特定行為研修修了看護師」とは医師の指示のもと予め作成した手順書に従い、より難易度の高い一定の診療補助行為を行います。その内容は手術を受けられる患者様の「術中麻酔管理領域」における呼吸管理や輸液の補正等があります。
患者様に一番近い存在の看護師の仕事をしながらタイムリーにケアを提供出来ることにとてもやりがいを感じています。私たち看護師がより高度な知識・技術を身につけ医師を支え、患者様により安心な医療の提供が出来れば天草はさらに住みよい場所になると思います。今はどこに住んでいても色々な事を色々な手段で学ぶ事が出来ます。それを支援してくれる病院にも感謝しながら今後も患者様に一番近い看護師でありたいと思います。