- 年齢階級別退院患者数
- 診断群分類別患者数等（診療科別患者数上位３位まで）
- 初発の５大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
- 成人市中肺炎の重症度別患者数等
- 脳梗塞のICD10別患者数等
- 診療科別主要手術別患者数等（診療科別患者数上位３位まで）
- その他（ＤＩＣ、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率）
1.年齢階級別退院患者数
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| 年齢区分 | 0～ | 10～ | 20～ | 30～ | 40～ | 50～ | 60～ | 70～ | 80～ | 90～ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 患者数 | 31 | 13 | 259 | 397 | 144 | 219 | 368 | 429 | 457 | 140 |
当院は天草地区の地域中核病院であり、「やさしさと思いやりのある医療をすべての患者様へ」を理念とし、質の高い医療を幅広い年齢層の患者様に提供しております。全体で見ると高齢化の影響で60歳以上の患者様の頻度が多く、全体の56％を占めております。
年齢別に傷病の頻度をみてみますと、10歳以下では院内で出産した新生児黄疸が多くみられます。
20～30歳代では、約70％が周産期医療の患者様です。
40歳以降になりますと、20～30％の割合でがんの患者様がみうけられます。
70歳以降になりますと、肺炎の患者様も多くなります。
地域がん拠点病院として、がんの治療も積極的に行っていることから、がん患者様の割合が多くなっております。
2.診断群分類別患者数等（診療科別患者数上位３位まで）
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内科
| DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 （自院） |
平均 在院日数 （全国） |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 040081XX99X00X | 誤嚥性肺炎 | 114 | 28.88 | 21.69 | 24.5 | 82.91 | |
| 060100XX03XX0X | 小腸大腸の良性疾患 | 92 | 3.53 | 2.76 | 0 | 64.46 | |
| 040080X099X0XX | 肺炎等 | 66 | 15.36 | 14.34 | 6.0 | 72.16 |
内科では誤嚥性肺炎の患者様が最も多くなっております。
特に高齢の患者様が多く、重症化しやすいため平均在院日数も長くなっております。
2番目に多いのは小腸大腸の良性疾患で大腸ポリープ切除術目的の入院です。当科には2名の日本消化内視鏡学会専門医がおり、積極的に内視鏡検査を実施しております。大腸がんは全国がんの統計でも死亡率・罹患率とも上位にみられるため、下部消化管内視鏡検査はがんの早期発見のためにも大事な検査となっております。
3番目に多い症例は肺炎の患者様です。誤嚥性肺炎に比べると、平均年齢も10歳ほど低く約2週間程度の入院治療となっております。
外科
| DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 （自院） |
平均 在院日数 （全国） |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 060335XX0200XX | 胆嚢水腫､胆嚢炎等 | 21 | 9.65 | 7.84 | 0 | 65.9 | |
| 090010XX99X40X | 乳房の悪性腫瘍 | 16 | 5.0 | 4.66 | 0 | 53.6 | |
| 060040XX99X40X | 直腸肛門の悪性腫瘍 | 14 | 4.57 | 5.51 | 0 | 42.1 |
外科では胆嚢炎等の手術ありの患者様が最も多くなっております。当院では胆嚢摘出術においては95％が腹腔鏡下での手術を行っております。
2、3番目は乳房・直腸の悪性腫瘍の化学療法目的の入院となっております。
良性・悪性疾患を問わず、消化器・肛門・乳腺・甲状腺・血管・ヘルニアの診断および手術の専門的治療を行っております。
乳腺疾患に関しては、日本乳癌学会認定医、検診マンモグラフィー読影認定医師、日本乳癌学会乳腺専門医の資格を有し、信頼される適正な医療を提供しております。
産婦人科
| DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 （自院） |
平均 在院日数 （全国） |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 120180XXXX | 胎児及び胎児付属物の異常 | 70 | 10.21 | 9.94 | 0 | 31.5 | |
| 120170XX99X0XX | 早産､切迫早産 | 41 | 30.29 | 20.87 | 9.7 | 26.9 | |
| 120010XX99X50X | 卵巣･子宮附属器の悪性腫瘍 | 17 | 4.94 | 5.17 | 0 | 60.1 |
当院は平成20年より地域産科中核病院となっております。よって周産期医療に関する項目が多くを占めております。
分娩件数は平成27年度は479件で、平成15年度より比較しますと約100件程度増加しています。
婦人科疾患では、卵巣腫瘍、子宮筋腫、性器脱など良性疾患の保存療法や手術療法、悪性腫瘍に対しては病気に応じて化学療法や放射線療法を行っております。
脳神経外科
| DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 （自院） |
平均 在院日数 （全国） |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 160800XX99XX0X | 股関節大腿近位骨折 | 28 | 52.78 | 16.83 | 10.7 | 87.3 | |
| 010060X099000X | 脳梗塞の治療 | 22 | 41.72 | 15.80 | 18 | 76.1 | |
| 010060X099030X | 脳梗塞(脳保護剤などを投与した)の治療 | 22 | 48.72 | 18.08 | 0 | 75.5 |
脳神経外科では急性期治療後のリハビリ目的の患者様を受け入れております。
全国平均と比べて平均在院日数が長くなっている理由として、高齢で自宅退院が難しく、退院後の受け入れ施設がなく長くなっております。
脳梗塞の脳保護剤など投与した患者様は薬剤の早期投与と充実したリハビリテーションの提供により100％自宅・施設等に帰られています。
皮膚科
| DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 （自院） |
平均 在院日数 （全国） |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 080006XX01X0XX | 皮膚の悪性腫瘍 | 11 | 14.4 | 10.49 | 0 | 77.0 | |
| 080020XXXXXXXX | 帯状疱疹 | - | - | 8.97 | - | - | |
| 161000X199X0XX | 熱傷・化学熱傷・凍傷・電撃傷 | - | - | 12.66 | - | - |
※10未満の数値の場合は、- （ﾊｲﾌﾝ）
当医療圏では皮膚科の入院施設が当院のみとなっております。
現在は皮膚科の常勤医が不在のため、皮膚悪性腫瘍切除のための入院はできませんが、帯状疱疹、熱傷、褥瘡等で入院治療が必要な方は、非常勤医師と当院の外科・内科医が連携して入院治療を行っております。
放射線科
| DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 （自院） |
平均 在院日数 （全国） |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 070040XX99X2XX | 骨の悪性腫瘍 | - | - | 25.05 | - | - | |
| 060040XX99X2XX | 直腸肛門の悪性腫瘍 | - | - | 26.26 | - | - | |
| 060020XX99X2XX | 胃の悪性腫瘍 | - | - | 27.48 | - | - |
※10未満の数値の場合は、- （ﾊｲﾌﾝ）
当医療圏では放射線治療ができる施設が当院のみのため、放射線治療のための入院が90％を占めております。
また、血管造影の手法を用いた低侵襲性の治療（ＩＶＲ）にも取り組んでおります。
ＩＶＲとは画像誘導下に外科手術なしで、できる限り体に傷を残さずに病気を治療する方法です。低侵襲かつ迅速に処置・治療が行えることが特徴で、具体的には、出血した血管を詰めて止血する血管塞栓術やがん細胞を壊死させる肝動脈化学塞栓療法（ＴＡＣＥ）など行っております。
小児科
| DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 （自院） |
平均 在院日数 （全国） |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 140010X199X00X | 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害（2500ｇ以上） | - | - | 6.17 | - | - | |
| 140010XX299X0XX | 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害（1500ｇ以上2500ｇ未満） | - | - | 11.59 | - | - | |
※10未満の数値の場合は、- （ﾊｲﾌﾝ）
当科では周産期の対応を中心としているため上記疾患が多くなってります。
外来では生後2ヶ月からの予防接種を積極的に行っております。
3.初発の５大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
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| 初発 | 再発 | 病期分類 基準（※） |
版数 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Stage I | Stage II | Stage III | Stage IV | 不明 | ||||
| 胃癌 | - | - | - | - | - | - | 1 | 7 |
| 大腸癌 | - | - | - | 11 | - | 47 | 2 | 7 |
| 乳癌 | 15 | 26 | - | - | - | 36 | 1 | 7 |
| 肺癌 | - | - | - | 35 | - | 33 | 1 | 7 |
| 肝癌 | - | - | - | - | - | - | 2 | 7 |
※10未満の数値の場合は、- （ﾊｲﾌﾝ）
※ 1：UICC TNM分類，2：癌取扱い規約
当院はがん診療連携拠点病院として積極的にがん治療を行っております。
医師、緩和ケア認定看護師、がん化学療法看護認定看護師、がん性疼痛看護認定看護師、がん放射線看護認定看護師、薬剤師、管理栄養士、理学・作業療法士等にてチーム医療に取り組んでおります。
外来化学療法室も完備し可能な限り外来で行う方針としています。
4.成人市中肺炎の重症度別患者数等
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| 患者数 | 平均 在院日数 |
平均年齢 | |
|---|---|---|---|
| 重症度 0 | 24 | 14.87 | 54.66 |
| 重症度 1 | 31 | 16.06 | 78.54 |
| 重症度 2 | 27 | 22.48 | 78.70 |
| 重症度 3 | 15 | 22.73 | 82.73 |
| 重症度 4 | - | - | - |
| 重症度 5 | - | - | - |
| 不明 | - | - | - |
※10未満の数値の場合は、- （ﾊｲﾌﾝ）
重症度が高くなるにつれて平均在院日数、平均年齢も高くなっております。
重症度0は本来入院の必要がないとされていますが、合併症などの理由により重症化する恐れがあるため入院治療となっております。
肺炎治療のため安静や長期臥床による活動性低下にて廃用症候群を予防するため、早期のリハビリテーションの実施を積極的に取り組んでおります。
5.脳梗塞のICD10別患者数等
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| ICD10 | 傷病名 | 発症日から | 患者数 | 平均在院日数 | 平均年齢 | 転院率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| G45$ | 一過性脳虚血発作及び関連症候群 | 3日以内 | - | - | - | - |
| その他 | - | - | - | - | ||
| G46$ | 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 | 3日以内 | - | - | - | - |
| その他 | - | - | - | - | ||
| I63$ | 脳梗塞 | 3日以内 | 39 | 42.76 | 77.43 | 12.8 |
| その他 | 19 | 59.47 | 79.42 | 21 | ||
| I65$ | 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄，脳梗塞に至らなかったもの | 3日以内 | - | - | - | - |
| その他 | - | - | - | - | ||
| I66$ | 脳動脈の閉塞及び狭窄，脳梗塞に至らなかったもの | 3日以内 | - | - | - | - |
| その他 | - | - | - | - | ||
| I675 | もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> | 3日以内 | - | - | - | - |
| その他 | - | - | - | - | ||
| I679 | 脳血管疾患，詳細不明 | 3日以内 | - | - | - | - |
| その他 | - | - | - | - |
※10未満の数値の場合は、- （ﾊｲﾌﾝ）
Ｇ45＄は一過性脳虚血発作であり、症状は一時的に出たがその後ほぼ元の状態に回復した症例のため在院日数も短くなっております。
Ｉ63＄の脳梗塞は発症後早期（3日以内）に入院される患者様がほとんどで、約70％を占めています。
その他の患者さんが約30％見受けられる理由として、急性期病院で治療後のリハビリ目的にて転院された患者様です。
平均年齢は77～79歳で高齢者の方が多くなっております。
平均在院日数が全国平均（15～18日）と比べますと長くなっておりますが、後遺症が残ることも多く長期間のリハビリテーションが必要なため入院期間も長くなっておりますが85％の患者様が自宅もしくは施設に帰られ、15％の患者さんは継続リハビリのため後方支援病院に転院されております
6.診療科別主要手術別患者数等（診療科別患者数上位３位まで）
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内科
| Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Ｋ7211 | 内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術（長径2ｃｍ未満） | 103 | 1.01 | 1.62 | 0 | 65.35 | |
| Ｋ721-21 | 内視鏡的大腸ポリープ切除術（長径2ｃｍ未満） | 87 | 1.28 | 1.35 | 0 | 65.19 | |
| Ｋ7212 | 内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術（長径2ｃｍ以上） | 10 | 1 | 2.32 | 0 | 61.7 |
内科では、大腸ポリープや大腸腫瘍に対する内視鏡的ポリープ・粘膜切除術を多く行っております。
ポリペクトミー（ポリープ切除）目的の短期入院です。
ポリープの大きさが2ｃｍ以上になると、平均術後日数も長くなっております。
外科
| Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Ｋ6335 | 鼠径ヘルニア手術 | 28 | 1 | 4.85 | 0 | 63.96 | |
| Ｋ672-2 | 腹腔鏡下胆嚢摘出術 | 20 | 1.4 | 7.25 | 0 | 65.85 | |
| Ｋ617-2 | 大伏在静脈抜去術 | 14 | 1 | 5.14 | 0 | 59.5 |
当院の外科で行う手術は上記の他に、消化器疾患、乳腺疾患等多岐にわたっております。
患者様の身体的負担等軽減のため、腹腔鏡下による手術も積極的に行っております。
産婦人科
| Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Ｋ8982 | 選択帝王切開術 | 84 | 4.04 | 8.0 | 0 | 31.84 | |
| Ｋ877 | 子宮全摘術 | 20 | 1 | 12.35 | 0 | 55.5 | |
| Ｋ867 | 子宮頚部（膣部）切除術 | 15 | 1 | 2.8 | 0 | 40.26 |
産婦人科は天草医療圏の産科中核病院として産婦人科全般の治療を行っております。
上記他では、卵巣腫瘍、子宮筋腫、性器脱などに手術も行っております。
皮膚科
| Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Ｋ0072 | 皮膚悪性腫瘍切除術・単純切除 | 22 | 1.31 | 6.36 | 0 | 80.31 | |
| Ｋ0063 | 皮膚、皮下腫瘍摘出術・長径6ｃｍ以上 | - | - | - | - | - | |
※10未満の数値の場合は、- （ﾊｲﾌﾝ）
皮膚がんは高齢者に好発することから、平均年齢も80.3歳と高くなっております。
紫外線が誘引のひとつとも考えられており、天草の地域性が窺えます。
7.その他（ＤＩＣ、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率）
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| DPC | 傷病名 | 入院契機 | 症例数 | 発生率 |
|---|---|---|---|---|
| 130100 | 播種性血管内凝固症候群 | 同一 | - | - |
| 異なる | - | - | ||
| 180010 | 敗血症 | 同一 | 15 | 0.61 |
| 異なる | - | - | ||
| 180035 | その他の真菌感染症 | 同一 | - | - |
| 異なる | - | - | ||
| 180040 | 手術・処置等の合併症 | 同一 | - | - |
| 異なる | - | - |
※10未満の数値の場合は、- （ﾊｲﾌﾝ）
上記表に示される4つのＤＰＣコードはアップコーディング（高額な診療点数請求目的）など不適切なコーディングとみなされる確率が高いものです。
播種性血管内凝固を医療資源とする場合は、臨床的に根拠がある場合のみ医療資源とするため、アップコーディングは行われていません。
敗血症は0.61％と若干多い数値でしたが、ＤＰＣ病名と入院契機となった傷病名が同一であるものが15症例あり、入院時から敗血症を呈し重症患者様であったことが見受けられます。
手術・処置などの合併症につきましては、全症例がＤＰＣ病名と入院契機となった傷病名が同一である症例でした。つまり、手術・処置等の合併症を主として入院され、治療を受けられたこととなります。異なる場合の症例数は0なので当院で他疾患で治療（手術・処置等）後、合併症を主とした治療はありませんでした。
更新履歴
2016/09/30 新規掲載